
後半開始。
両サイドでの攻守攻防が続く。
そこへ、三平SCのコーナーキックのチャンス。
前半りょうの惜しいヘディングシュートがあった。
「入る!」応援席、みんながそう願ってコーナーを見つめる。
キッカーしゅんすけ。
ボールを丁寧において、りずむよくとんとんとんとん走ってきて、そしてやわらかいタッチで蹴る。
ボールの軌道は前半と同じく、キーパーの前を超えた。
とそこへ飛び込むりょう。
ボールはゴール右にドーン。ネットを揺らした。
入った!
ゴール!
先制点は三平SC。
1点に満足するなとばかりに、攻める三平SC。
決して守りにいくのではなく最後まで。
「とことんやりきれ」
この言葉どおり、三平SCイレブンは走った。
この試合、というか、全試合を通して一番走ったのはこの男だと思う。
右サイドを自陣敵陣なく走り回る背番号15かんきち。
そんなかんきちのもとに、ラスト1分、ボールが転がる。
サッカーの神様が「お前が最後に決めなさい」とやさしく微笑んだ。
そのボールをしっかりと右足でしっかりと蹴りこむ。
ゴール!!ゴール!!ゴール!!
そして、まもなく
ぴぴぴぴぴー
試合終了のホイッスル。
三平SC優勝!!
礼をすませ、応援席に駆けよる子供たち。
ほんまにほんまにおめでとう!!

感動をありがとうございました。
関西小学生サッカー大会兵庫県大会北播地区予選物語
完